今夏にフランス・パリで開催される「第33回オリンピック競技大会」。スポーツクライミング競技(ボルダー&リード、スピード)は8月5日から8月10日まで実施される予定だ。

日本人選手によるメダル獲得が期待される中、本記事では現時点でパリ五輪出場が内定している選手を紹介。パリ五輪内定選手昨年の成績や今後の代表選考の流れも踏まえて振り返っていく。

東京五輪に続く2度目の出場「楢崎 智亜」

楢崎 智亜 / © Lena Drapella/IFSC.

まず1人目は男子・楢崎 智亜だ。スポーツクライミング種目が初開催となった東京五輪にも出場し、4位の成績で大会を終えている。

楢崎は昨年の8月、スイスのベルンで行われた「IFSCクライミング世界選手権 – ボルダー&リード種目」にて3位入賞し、パリ五輪代表に内定(男女各上位3名がパリ五輪出場が内定)した。2度目のオリンピック出場となる楢崎は経験・実績ともに豊富であり、悲願のメダル獲得に期待したい。

リードを得意とするアジア女王「森 秋彩」

森 秋彩 / © Jan Virt/IFSC.

2人目は初の五輪代表となる森 秋彩。楢崎と同じく昨年の8月に開催された「IFSCクライミング世界選手権 – ボルダー&リード種目」にて3位に入り、見事パリ五輪出場を決めた。

森はオリンピックフォーマットで実施される国内大会「ボルダー&リードジャパンカップ」では2連覇中、リード種目の国内大会「リードジャパンカップ」では4連覇(うち6度の優勝)と、女子選手では圧倒的な実力を誇っている。

更に前述している「IFSCクライミング世界選手権」のリード種目(単体)においては、絶対的な世界女王 ヤンヤ・ガンブレット(スロベニア)を破り男女含めて日本人初となる優勝を経験。昨年10月に行われた杭州アジア大会のボルダー&リード種目でも優勝に輝くなど輝かしい成績を残している。世界の頂点を経験する彼女の活躍にも十分に期待していきたい。

歴史的快挙を成し遂げた17歳「安楽 宙斗」

安楽 宙斗 / © Lena Drapella/IFSC.

3人目は弱冠17歳の高校生、安楽 宙斗。昨年の「IFSC リードワールドカップ」ではボルダー種目・リード種目ともに年間王者に輝くという、史上初の快挙を成し遂げた大注目の選手だ。

安楽は昨年11月にインドネシア・ジャカルタで開催された「アジア大陸予選」で優勝に輝き、見事パリ五輪出場を決めている。昨年8月の「IFSCクライミング世界選手権 – ボルダー&リード種目」では惜しくも4位の結果でパリ五輪代表内定とはならなかった安楽だが、その悔しさをバネに代表枠を勝ち取った。世界レベルの実力と経験を兼ね備えた10代の高校生が世界の頂点をつかみ取ることができるか、引き続き注目していきたい。

今後の代表選考の流れは?

今後は上海(5月)、ブダペスト(6月)で開催される「Olympic Qualifier Series(以下:OQS)」の結果次第で男女各10名のパリ五輪出場が決定する。
ボルダー&リード種目にて出場権を持つ日本人選手は以下4名。

・野中生萌(女子)
・伊藤ふたば(女子)
・ 中川瑠(女子)
・久米乃ノ華(女子)
※男子は国別最大枠となる2名(楢崎 / 安楽)が内定しているため出場者はなし

OQSにおけるボルダー&リード種目では上記の4名が残りの女子1枠をかけて戦うこととなり、そのほかスピード種目は男女計6名が出場する。
更にOQSでは、スポーツクライミングに加えてブレイキン、BMXフリースタイル、スケートボードのトップアスリートたちが都市部に設けられた特設パークに集結し、パリ五輪出場をかけて競い合う。最終予選となるOQSの結果にも注目していきたい。

※ブレイキン、BMXフリースタイル、スポーツクライミングはパリ五輪の出場枠が決定し、スケートボードはパリ五輪出場に必要なランキングポイントを獲得することができる。

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